道衣・袴の選び方

合気道の稽古において、決まった道衣という物はありません。柔道衣・剣道衣・空手衣等、どれを着用しても構いません。袴についても、特に合気道袴でなくとも、剣道用の物でも差し支えありません。

昔は合気道用の道衣・袴はなく、柔道衣・剣道袴を着用していました。武道具メーカーが、より合気道に適した物をと言うことで色々と改良を重ね、現在の合気道衣・袴ができています。

合気道衣については柔道衣の様に袖・丈の長さ等の規定がありませんので胸紐を付けたり、袖を短めにしたり、座り技用にズボンのすねの部分を厚めにしたりしています。

袴については、剣道袴より紐を長くし前結びができる様にしたり、受身の時の怪我を防ぐ目的で、腰板をゴムにしたりしています。そういう意味では、柔道衣と合気道衣、剣道袴と合気道袴とに大きな差はないと思います。

それでは、何を基準に選べば良いかと言う事になりますが、各メーカーの商品を見てみますと、

●未晒なのか晒なのか?
綿の素材そのままの状態(生成り)が未晒で、色が薄いアイボリーになります。それに対し、晒加工(染め)されたものが晒と呼ばれる物で、色は純白になります。最近は、晒の道衣の方が圧倒的に多いと思いますが、未晒を好まれる方もいます。

●一重織(刺)なのか二重織(刺)
二重織の方が厚みが増し、しっかりとした素材になり重量感があります。その分価格が割高になります。

●混紡素材
綿と化学繊維の混紡道衣も最近は販売されています。綿100%に比べ、軽い・乾きが早い等の特徴があります。

それでは、実際に選ぶ際の判断基準は、先ず価格になると思います。未晒で一重織の物が最も安価になります。

但し、晒・未晒では大きな価格差はありませんが、一重と二重ではかなりの差があります。

よって、通常の稽古においては、晒の一重織の道衣が適していると思います。価格も3号で7000円前後です。

二重織になると倍近くになります。(師範用として販売されている事が多いようです。)

袴については、先ほど記した様に、剣道袴にするか合気道袴にするかによって変わりますが、各メーカー剣道袴の方が種類が豊富にあります。素材で言うとほとんどが化学繊維であり、プリーツ加工(折り目が取れにくい)している商品が若干高めになっている様です。綿袴を着用する方もいますが、価格も高くあまり合気道には適さないのではないかと思います。価格的には、合気道袴ですと8000円位から13000円位の物が一般的だと思います。

剣道袴ですと、安いもので5000円〜6000円位の物もあります。(生地は少々薄めですが?)

混紡素材のハイテク道衣の様な物が最近出てきています。抗菌作用があったり、速乾性・吸水性が高い等の特徴があり、用途によってはメリット大だと思います。(稽古衣として適しているのではないかと思います。)

結論としては、予算・好みにより選択肢があると思いますが、安くて・軽くて・丈夫で持ち運びに便利なものが良いのではないかと思います。

以上、店長の個人的な意見ですので絶対的な物ではありません。